雰囲気と文化は違う
雰囲気は結果であって原因ではありません。雰囲気が悪くなる前に手を打つには、雰囲気ではなく、その下にあるパターンをまず測る必要があります。
面接の時はあんなに良く見えました。「フラットです」「自律的です」「人が良いです」。 それが1年も経つといつの間にか別の会社になっています。会議は長くなり、 決定は先送りされ、誰も責任を取りません。
私たちはこの変化をしばしば 「雰囲気が変わった」 と言います。雰囲気で読み、雰囲気で対応します。 ですが雰囲気は結果でしかなく、原因ではありません。本当に変わったのは、 雰囲気を生み出すその会社の 組織文化 です。そして文化は雰囲気よりも はるかにゆっくり動きますが、一度傾けば雰囲気では取り戻せません。
01 · Weather vs Climate
雰囲気は天気、文化は気候
雰囲気は天気に近いものです。良いプロジェクトが終わった週は晴れていて、 四半期の業績が悪い月は曇ります。四半期単位で変わります。だから雰囲気で 会社を読むと、毎四半期ごとに診断も変わってしまうのです。
組織文化は気候に近いものです。 「この会社で仕事が回っていく仕方」 そのものです。一度決まれば、 5年はその姿のまま回っていきます。
- 誰が決定を下すか
- 悪いニュースが上に上がるか、それとも詰まるか
- ミスを報告した人が褒められるか、不利益を被るか
- 会議で一番若い人が遠慮なく口を開けるか
これは雰囲気のようにその日その日で変わりません。何百回も繰り返された 行動の パターン です。そしてパターンであるという点こそが、 測定の出発点になります。
02 · Pattern
だから測定できるのです
「文化は抽象的だから測定できない」という言葉は長い間通用してきました。 ですがパターンは測定できます。意思決定にかかる時間、事故報告率、 同じ問いに役員と社員がつける点数の差。全て数字として現れます。 文化が測定不可能なのではなく、文化を 測定可能な単位に切り分けるモデル がなかっただけなのです。
測定できなければ、管理できない。
ピーター・ドラッカーの言葉として語り継がれる一文は、 安全担当者にはもう一段重く響きます。 雰囲気だけで感じ取れば、雰囲気が悪くなった後にようやく対応します。 事故が起きた後にようやく会議が増えます。パターンで測定すれば、 雰囲気が悪くなる前に手を打てるのです。 それが安全と文化が同じ場所から始まる理由でもあります。 事後対応ではなく事前のシグナル。
03 · The Question
測ったものは本当に文化か
OpenKnock Culture Ladder を作っていた時、最も長く抱えていた問いはこれでした。
測ったものは本当に「文化」なのか、それともその日の気分なのか?
この問いに答えるためには、まずどのモデルで文化を切り分けるかを 決めなければなりませんでした。測定可能な単位が頭の中になければ、 設問1行も作れません。そして間違ったモデルで切れば、測定はできても 何を測ったのかが会社にはわかりません。よく見かける「今年も良好」 という報告書はそうやって作られていきます。
私たちが採用したモデル、英国の安全心理学から出発した SCL 5 段階の はしごが次の編の主題です。一度正直に切り分ければ、会社は自分の 居場所を知ります。
著者

ジョン・ユンファン
Founder
schemalismを運営しています。エンジニアの視点から事業を展開し、自ら仮説を検証して次のより大きな段階へと実現していく仕事を楽しみます。コードとビジネスが交わる場所で、毎回次の一手をつかみ取ります。
この記事が属するシリーズ
組織文化、本当に測れるのか?
OpenKnock Culture Ladder は安全文化を診断するためのアンケート調査プログラムです。基準は私たちが作っていません。オランダ安全文化認証規格 NEN SCL の5段階のはしごをそのまま借りて、会社が5つのマスのどこにあるのかを、毎回のラウンドで同じ基準で測り直します。schemalism · RIMS · LRQA が共に作り、現代モービス · クムホ石油化学 · ポスコインターナショナルが約15,000名の回答で同じ基準の上に自社の位置を刻みました。測定と変化の間で見たものを6編にまとめました。
全編
06
今読んでいますPART 01
雰囲気と文化は違う

PART 02
規格から借りた五段

PART 03
測定の核心

PART 04
回次とベンチマーク

PART 05
ドメインの内側のAI

PART 06
測定から変化へ